僕は人と上手く話すことができない。その原因は何なのか。
滑舌が悪いとかどもるとか噛むとか、そういった些細なことは置いといて、もっと深刻な問題について考えてみる。
話すことが思いつかない
これが根本的な原因だと思う。
たとえば学生時代、授業で何か感想とか意見を求められたときに、何も思いつかずに黙ってしまうことがよくあった。
「言いたいことがあるのに言葉にできない」のではなく、完全に頭の中が真っ白なのだ。
大学のゼミの先生には「何か喋って」とよく言われた。
しかし何も思いつかない。その場を切り抜けるちょうどいい言葉すら思いつかないのだ。
もうこうなったら、脳がフリーズしてどうしようもなくなる。
焦りや緊張とは少し違い、「意識ここにあらず」といった感じで、頭がボーっとしてしまう。
高校のときに授業で意見を求められて、クラスの注目の中、立ったまま30秒ぐらいフリーズしてしまったこともある。(30秒ぐらいで先生が助けてくれた)
また、作文を書くのも苦手だった。
クラスメイトは授業中にみんな書き終えているのに、僕だけ2行ぐらいしか書けてなかったり。
先生に「なんで書かない!」と怒られたこともあるが、別にサボってたわけではなく、かなり必死に言葉をひねり出そうとしていたのだ。
あと社交辞令的な言葉も思いつかない。
「今日は暑いですねえ」とか喋りかけられても、「へへw...」と気持ちの悪い愛想笑いを返すのが精いっぱいだ。
別に緊張してるからそうなるわけではない。
もちろん緊張していればより酷くなるんだけど、リラックスしてる時、例えば母と話してるときも同じだ。
母が何か話していても、それにどう返答すればいいのかわからない。(母は分かってくれてるので、僕の返答なんて期待していないのだが。)
なので僕は今まで、人とまともに会話をしたことはないのかもしれない。
多分、子供のころから自分の感覚や感情にフタをしようとしてきたので、その後遺症かなと思ったりする。
話すことを忘れてしまう
何かを伝えるということは、まず頭の中に感覚的な思考(感情やイメージ)が浮かび、それを言語化するという流れだと思う。
でも僕の場合、何かを言葉にしようとすると、その「感覚」がすぐ頭の中から消えてしまうことが多い。
文章でもそうなんだけど、何かを思いついても、アウトプットしようとした途端に頭の中が真っ白になってしまう。
「上手く言語化できない」のではなく、言語化する予定だった「何か」が頭からすぐ消えてしまうのだ。ド忘れレベル100みたいな感じ。
実際の会話となると、伝えようとしたことをすぐ忘れてしまい会話にならないことがあって困る。(相手も困る)
僕「○○な気がします」
相手「なんで?」
僕「・・・(あれ?なんだっけ?)」
相手「ん?」
僕「あ~・・・(何の話だったっけ?)」
みたいなことが多々あった。
なのでリアルタイムの会話自体がキツイ。
話が組み立てられない
たとえ話す内容が思いついたとしても、それを声に出して話そうと思うと、どの文節から話していいのか分からずパニックになる。
昔、単純作業のバイトしてたときも、上司にまともに報告ができなくてよく恥をかいた。
「君、何言ってるか分からん...」って何度も言われた。
話しながら自分でも話す順序がおかしいことに気付いているのだが、どうすればいいのか分からない。
例えば、この文章を人に伝えるときどうなってしまうのか。
⇒「昔、単純作業のバイトしてたときも上司にまともに報告ができなくてよく恥をかいた。「君、何言ってるか分からん...」って何度も言われた。」
こうなる
⇒「なんか...あの...上司が...君、何言ってるか分からんってよく言われて...あの...バイトの。昔やってて。それで...恥かいたこととかが。あっバイトで報告ぅ..とかするときあって、何言ってるか分からんって言われて...」
↑実際はこれに、どもりや噛みが入るのでもっとひどい。
話す内容が思いつかないだけでなく、思いついても上手く話せないのだ。
典型的な対人恐怖症
自分の存在が他人の迷惑になったり、場の空気を壊してしまうことを恐れて、人と関わることを避けようとしてしまう。
自分から人に話しかけるなんて無理だし、メールしたり、電話したりするのも、その人の時間を拘束してしまうような気がして凄く怖い。(メールはまだマシだけど)
「人に何かを教えてもらう」ということができないので、もしネット時代に生まれてなかったら銀行口座すら作れなかっただろう。
バイトでもちょっとした質問ができず、作業内容の細かい擦り合わせができずに自分の判断で行動して間違えたりすることがあった。(これほんと社会生活送るうえで致命的だと思った)
あと会話以外でも、コンビニのレジで誰かが会計してたら、その人にプレッシャーをかけてしまうような気がして後ろに並ぶことができなかったり。
学校で前の方の席になったときは、僕のせいで後ろの人が黒板を見にくいんじゃないかと気になって、かなり腰と頭を下げて授業を受けたり。(今から思うと逆に不審だったと思う)
あとは自分の匂いとか、存在の圧迫感とかが気になって、いつでもどこでも焦ってしまう。
できる限り周りにストレスを与えない空気のような存在になりたいと思っており、その一番手っ取り早い方法が対人関係を避けることなのだ。
まあ対人恐怖症だから話せないというよりも、話せないことで周りに迷惑かけることが多くて対人恐怖症になり、より話せなくなるという負のスパイラルに入っちゃった感じだろうか。
人目を気にしすぎ
「何も思いつかない」「頭が真っ白」なのは、言語化力がない以前に、人目を気にしすぎているのも原因だと思う。
つまり、内在化された他人の目によって無意識に表現が抑圧されてるのだ。
思い返すと、読書感想文を書くときはネットの文章をツギハギしてたし、就活のときも他人の自己PRを流用した。
表現することに激しい抵抗があった。
しかし思い返せば小1ぐらいまでは抵抗なく作文とか書けてたし、保育園のころは母に一生懸命何か伝えようとしてた。
成長するにつれ、どこかの段階で心の中に人の目が生まれ、表現を抑圧しだしたのだろう。(自己表現することは、和を乱す悪いことだと考えていたのかもしれない)
誰だってそういう部分はあると思うけど、僕の場合それがかなり極端で、ほとんど何も話せなくなった。
最近、僕は毎日日記を書くようにしている。
誰にも見られないようにパスワードで保護したソフトにダラダラと書いている。
その日に思ったこと、気づいたこと、考えたことなどを、できる限り自分の言葉で書くようにしている。
すると、稚拙な文章ながらも結構スラスラ書けているのだ。
理由を考えてみると、書いているときに誰の目も気にしていない自分に気が付いた。
何かを表現するのって心の中にある人の目との闘いで、僕はそれから逃げ続けていたのだろう。
言語力を鍛えようとする前に、まずはこの精神的な問題を解決しないと意味がないと思った。
人の話が聞けない・理解できない
話すのが苦手だからと言って、聞き上手というわけではない。
むしろ話すこと以上に、聞くのが苦手だ。
小学校6年生のときに先生におつかいを頼まれたときの話。
先生「保健委員に昼休みに職員室の田中先生のところに来るよう伝えてください」
僕「ええ...と」
先生「...もう一回言いますよ。保健委員に昼休みに職員室の田中先生のところまで来るよう伝えてください。」
僕「ええ...職員室の...田中先生...」
先生「分かりましたか?」
僕「...すいません。もう一回お願いします...」
3回聞いてかろうじて飲み込めた。
話をカタマリやイメージで理解することが苦手なのだろうか...
相手の言葉が右から左にスーッと抜けていって、内容が頭に残らないことが非常に多い。
本を読んでいるときに、文字を追うだけで内容が頭に入ってこないときの感覚に似ている。
集中して聞こうとしてもこうなってしまう。
学校の授業とかでグループで話し合うような場面があったけど、僕以外の人は色々意見を出して盛り上がってるんだけど、僕だけ「今何の話してるの??」って状態になっていた。
また、先生の指示を理解できずに一人でトンチンカンな行動をして、恥さらしになることがよくあった。
例えば高校のとき、体育のバスケで先生が「じゃあ次はこれこれこういう練習をしなさい」と説明をしていても、一発で理解できないことばかりだった。(耳が悪くて、指示がところどころ聞こえなかったというのもあるけど)
いつもは周りのクラスメイトを見て真似してやっていたけど、一度だけ「じゃあ君。ちょっと前でやってみなさい。」と言われ、全然違うことして大恥をかいたことがある。(クラスメイトはポカーンとしてたし、先生も「え?」状態だった)
その他の授業でも、先生の指示が理解できないことはよくあった。
周りは一斉に作業に取り掛かってるのに、僕だけ何やればいいのか分からず不安になることが非常に多かった。(バイトとかでも)
あとテレビのニュースの内容とかも集中してないと頭に入ってこない。
バラエティ番組も、興味のある内容じゃないとすぐに集中が途切れてぼんやり眺めているだけになる。
よく母が、洗い物しながらテレビの内容に意見を言ってたりするけど、なんでそんなマルチタスクが可能なんだろうといつも思っていた。
ただ、不思議なことにアニメの内容なんかはスッと入ってくる。
なのでやっぱりこの辺は「集中力」をコントロールできないことが1つの原因なんだと思う。(あとは緊張もあると思う。)
聞き取れない
僕は人の言ってることが聞き取れないことがよくある。
話しかけられても、かなりの確率で「え?」と聞き返す。
前までは耳が悪いんだと思っていたけど、最近、実は頭が悪いんじゃないかと思えてきた。
英語のリスニングで、知っているはずの単語が聞き取れないのと同じで、脳が相手の声を言葉として処理できていないんだと思う。
↓こんな感じで、相手の話す日本語が、全く知らない国の言葉のように聞こえてくる。
ノーガアィティノコウェヲォクトゥヴァトォシィテシュリデキtネンザトオモオ
(脳が相手の声を言葉として処理できていないんだと思う)
要は、聞こえてるんだけど、意味が分からないということだ。
特に周りがざわついてたり雑音のある場所だとその傾向が強い。
なので学校の教室は最悪の環境だった。
教師の言ってることを聞き間違えたり理解できないことが多くて、それのせいで嫌な思い出がいっぱいある。
高校のときに隣の席の人が笑いながら話しかけてきてくれたんだけど、何言ってるか聞き取れなくて、聞き直しても聞き取れなくて、凄く変な空気になったこともあった。
複数人での会話でも、ほとんど何の話をしてるのか分からずついていけなかったり。
祖父の言ってることが聞き取れなくて、「お前とは会話ができん!」とキレられたこともある。
資材搬入のバイトしたことがあったけど、建設現場で周りがうるさかったので作業の説明が全く聞き取れなかったこともある。(他の人は聞き取れたみたいで普通に作業してた。)
リーダーに謝罪してもう一度説明してもらったけど、それすら聞き取れず、どうしたらいいのか分からず途方に暮れていた。
あとスーパーや飲食店の店員の言ってることも結構聞き取れなくて困る。
また、複数の人がいる場面では、自分が話しかけられていると分からずに無視してしまうこともあった。
大学のゼミでは「あの人、話しかけても反応してくれない」と噂になっていたらしい。
人と話せない 結論
結局、頭が悪いのと臆病なのが主な原因だと思う。
低スペックのパソコンみたいにすぐフリーズするし。
あと多分アダルトチルドレンな気がする。
まあ今のところ対人関係のほとんどない環境にいるので、コミュ障でも不都合無いんだけど...
コメント
初めまして。
僕は現在大学生で全く同じ症状でとても困っています。
人からは聞き上手だといわれますが、基本理解できていませんし、話せないから聞いているだけというような状況です。話を振られても、とんちんかんなことを言ってしまうことが多く、正直楽しい(面白い)話をするのが苦手です。
一方で気の許せるような友人の前では真剣な将来の話などはできるのですが、悩み事などは相手の心の痛みが理解できないことが多いです…
最近も先生に言われることが理解できず、必要のないことを調べたり、調べが足らなくておこられたりなどあり辛いです。
現在はメンタルクリニックで「多動のないADHD」と診断され、薬物療法中ですが、ミスが減ったとは感じません。
これから就職したり働いたり、あと50年近く生きなければならないと思うと憂鬱で仕方ない時があります。
こんにちは。
全体的に自分と重なる部分が多く、非常に共感を覚えました。
とっさに感想や質問を言えと言われて何も言えないのは辛いですよね。
私も同じ症状で就活苦労していますよ
不意に感想を求められたりすると真顔でフリーズします
喋るときは手がろくろを回してるし
就活つらい
昔そうでした。
僕は中学3年生までまったく人と話すのが嫌でした。
なぜなら笑い方が気持ち悪かったり、言葉が出なくなったりしたからです。
それが治った時期がありました。
それは高校生のときに勉強に打ち込んでテストで上位の結果を出したときにみんなが勉強を教えてくれーと駆け寄ってきました。
最初はネットで調べた通り我慢して普通のふりをしてたんですが、だんだん友達のノリや言葉遣いが移ってかなり良くなり人を笑わすぐらいはできるようになりました。
逆に大学に進学してから人と話す機会が減って、コミュ障期に戻りつつありました。しかしゲームで仲間との会話やアルバイトでの接客をめちゃくちゃ我慢してやったらいつのまにか周りに適応している自分が居て頑張ってよかったと思いました。
これから察するに周りの環境で同僚の他の人たちから必然的に求められる状態であること(実績があったり、人を惹きつけるなにか)、たくさんの人と話せること、最初に慣れるまで我慢すること、 などを意識して継続すればなんとかなるみたいです。
なんとか独り立ちしてお金を稼ぐのが今の目標です。
初めまして。このブログの「コミュ障」カテゴリの記事を読む限り、
イエティさんは「ASD(自閉症スペクトラム障害)」である可能性が非常に高いです。
ASDの中でも特に「受動型アスペルガー」に該当すると思われます。
「相手の言っていることが意味を成さない音声にしか聞こえない」という症状は
「聴覚情報処理障害(APD)」と呼ばれるもので、ASDとの併発例が多いです。
自覚を持てれば対策も可能なので、ASDについて詳しく調べてみてはいかがでしょうか。
慣れと相手の気持ちを考えない図太さが足りないか、中途半端に頭がいいせいで相手の気持ちや空気を読んでしまうから、話せないかなと思います。むしろ、頭が悪い方が余計なこと考えることができないのでコミュニケーション能力は高い傾向にあると思います。
僕もコミュ障ですが話しを1から作っていこうとするのがいけない気がします。普通の人はコミュニケーションに慣れているので、ある程度テンプレートが無意識の内に作ってあって、その中に具体的な内容を当てはめて会話をしているんだと思いますが、コミュ障はその場その場にあったものを1から厳密に作ろうとして脳がフリーズしているんじゃないかと。実際、みんな会話の時はかなり適当な言葉使ってる気がします。
コメント失礼します
共感したし思ってたことが言語化されててすっきりしました!書いてくれてありがとうございます