先日、アメリカのメーカーから商品を大量に仕入れ、日本にパレットで送ってもらうことになった。
しかしメーカーから思いもよらぬメールが。
メーカー「あなたの通関業者の情報が必要です。業者の名前、住所、電話番号、メールアドレスを教えてください。」
そんなサラッと言われても困る。おかかえの通関業者とかいないんですが...
というか通関業者なんて使ったこともない...
普通、個人輸入ビジネスだとDHLなどの国際クーリエサービスを使うことがほとんどなので、今回のような事態は初めて。
僕は貿易実務の知識がないので、通関手続きも全部メーカー側が手配してくれると勝手に思い込んでいた。
ダメだ不安すぎる。下手したら200万円分ぐらいある荷物が全部パーになっちゃいそうで怖い。
そもそも個人で通関業者を使うことなんてできるの?
どこに依頼すればいいの?
料金はいくらぐらいかかるの?
そもそも通関業者に何を頼めばいいの?
何が分からないかも分からない。困った。本当に困った。
分けわからなさ過ぎてメンタル崩壊しそう。
というわけでgoogleで調べまくって、実際にやってみた。
輸入ビジネスで通関業者を探す
まずは個人でも対応してくれる通関業者を探さなければならない。
これは探してみると色々見つかった。
しかし通関業者によっては対応していない港があるようだった。
「うちは大阪港と神戸港だけです」みたいな。
なのでメーカーに問い合わせて「どの港に到着するのか」を確かめてみた。
するとメーカーから「千葉県の近くの港だよ」という何ともハッキリしない答えが...
とりあえず「千葉港」に到着すると想定して、目ぼしい業者にひたすら見積もりを依頼。
最初に問い合わせた業者からは
「うちは千葉港には対応してない。そもそも千葉港に入港するケースは稀なので、船積書類をもう一度よく確認したほうがいい。」
とのアドバイスが。
次に問い合わせた業者は
「千葉港は費用が余計に掛かり対応が困難。横浜港なら対応できる」
とのこと。
うーん...どうやら千葉港はちょっと特殊な港のようだ...
メーカーにはっきりと港を教えてもらいたいんだけど、船積書類を送ってって言っても無視するし。
マジでこのメーカー信用できなくなってきた。
そもそもなんでメーカー側が、通関業者の情報を求めてくるのかも分からない。
色々調べてみると、必要な書類(BL、PL、CI)があれば通関業者に依頼すること自体は大して難しくはなさそうだった。
なので書類さえ送ってもらえれば、全てこっちで手配できそうなんだけど...
メーカーが何をしようとしているのかさっぱり分からない。
とりあえず思っていることをメーカーに伝えてみた
「港が分からないと通関業者と契約できない。必要な書類を僕に送ってくれれば、通関は全てこっちで手配できる」
しかしメーカーからは「だから千葉だって!」としか返答がない。
そもそもなんで千葉?目的地の倉庫は大阪なんだけど。
国内輸送費ハンパないでしょ。
しかも「早く通関業者の情報を教えて!急いで!」とか急かしてくるし。
普通、通関業者に連絡するのって、船が出て書類が集まってからなんじゃないの?
ろくに貨物の情報がないのに、通関業者と契約できるのだろうか?
こんなことになるなら、国際クーリエで送ってもらえば良かった...
千葉港に対応している業者を探してみた
「千葉港 通関業者」で検索して、出てきた業者に片っ端から見積もりを依頼。
その他、日通さんなどの大手にも見積もりを依頼してみた。
何件か返信が来たけど、情報不足でどこも見積もりはしてくれなかった。
日通さんからは「港を変えたほうが良い」というアドバイスが...
他の業者からは「情報が足りない」と言われたり。
もしくは「うちでは対応できない」のどちらか。
やばい。もうダルすぎる。
何でこんな情報不足の状態で通関業者を探さないとダメなんだ。
メーカーさん頼むよ。
出港した後に、書類を送ってくれればいいだけなんだけどなあ...
日通さんの神対応に救われた
見積もりを出した日本通運の担当者さんから電話がかかってきた。
すごく親切に対応してくれた...
ありがたい...
トンチンカンな僕の質問にも丁寧に答えてくれて、情報がほとんどないにも関わらず、大まかな見積もりを出してくれた。
「海外メーカーが通関業者さんの情報を求めてるんですが」と相談したら、伝えるべき情報をメールで送ってきてくれた...
おかげで全ての不安が解決した。
さすが超一流企業。安心感が凄い。
まあ商品が無事に届くまでは油断はできないけど、予想外のことがあっても日通さんなら柔軟に対応してくれそう。
まあただ、電話で話すと自分の会話力とかマナーのなさに嫌気がさしてくる。
せめて正しい敬語ぐらい扱えるようになりたい。
日通さん「○○ですけど、この辺はご理解いただけてますでしょうか?」
僕「あっ分かってます。」
みたいな感じで、自分で言いながら失礼な言葉遣いだな~と思うんだけど、とっさに敬語に変換することができない。
「はい承知しております」とか自然に言えるようになりたい。
通関にかかる料金は?
日通さんから大まかな見積もりをもらった。
1.輸入取扱料 ¥25,000
2.輸入通関料 ¥11,800
3.配達料 ¥20,000
4.税関検査 検査の場合のみ (実費)
5.船社費用 ARRIVAL NOTICEの金額 (実費)
配送料高すぎぃ...
まあ千葉から大阪までだからこんなもんか...
税関検査は、検査の内容にもよるけど大体3万円程度らしい。(検査が発生しなければ0円)
船社費用ってのは、混載便の場合はコンテナから荷物をより分ける作業にかかるコストのこと。
これも3万円ぐらい見積もっておいたほうが良いとのこと。
というわけで、全部で10万円以上はかかりそう。
思ったより高かったけど、まあ十分許容範囲内。
料金とかそんなに気にしないから、とにかく無事に商品を届けてほしい。
通関業者に渡さなければならない書類
今後、僕は以下の書類をそろえなければならない。
・Invoice
・Bill of Lading
・Packing List
Invoiceとは請求書のこと。どんな商品を何個仕入れていくら支払ったのかが書かれた書類。
Bill of Lading(B/L)とは船荷証券のことで、商品を受け取るときの引換券のようなもの。
本来、コピーではなく『原本』が必要らしいけど、原本を日本まで送ってもらう時間はないので、とりあえずPDFでコピーを送ってもらうことにする。
Packing Listとは貨物の重さやサイズ、梱包などについての情報を記載した書類。
最低限この3つをメーカーからもらい、通関業者に渡さなければならない。
あともう1つ、船が日本に到着するころに、Arrival Noticeという書類が船会社から送られてくるらしい。
これは船の到着をお知らせする書類で、これを通関業者に渡せば全て完了。
あとは通関業者が全てやってくれるらしい。
本当につかれた
まだ日通さんと契約できただけで、これからが本番なんだけど、一つの山は越えたという実感がある。
海外メーカーと何度もメールでやり取りしたり、日通さんと電話で話したりして、本当に疲れた。
まあ新しいことを覚えられたし、良い経験にはなったと思う。
追記 2017年9月4日
その後、日通さんから電話がかかってきた。
なんか船会社が、僕を通さずに直接日通さんに書類を送ったらしい...
しかもインボイスの住所が、送り先の倉庫になっていたらしく、これを輸入者の住所に修正してほしいと頼まれた。
また、商品を送料込みの価格で注文したので、「送料を払っていない」という説明を、インボイスに記載してほしいとも言われた。
しかもその後メールで、「書類にFOBと書かれているけど、これは何を意図しているの?」と尋ねられた。
「送料込みの値段でFOBはおかしい」とのこと。
僕も分からないわ。
ダメだ...また意味不明なことになってきた。
それに電話も疲れる...
僕が050 IP電話を使っているため通信環境が悪いようで、僕の声が向こうにはっきり届いてないみたいだった...
前に日通の担当さんと電話した時も、声にエコーがかかっていると指摘された。
さすがに2度目なので、担当さん、若干イライラしてたっぽい...
そりゃ個人で少量の荷物の時点で、向こうは大して儲からないだろうし、お情けで受け入れてくれたようなもんだしね。
その上、不手際が続けば、イライラもするだろう。
ほんと中途半端に船便を使ったことを後悔している。
メーカー側がどんな流れを予定しているのか、未だによく分からないし。(意思疎通が不足している...)
次に船便を使うときは、海外からの発送から何から全て僕の方でフォワーダーに依頼して、一貫して発送・通関を行うようにしたい。
絶対そっちのほうがトラブルが少ないと思う。
てか、次にこのメーカーから仕入れるときは国際クーリエを使うと思う...
追記 2017年9月12日
通関業者から通関委任状という書類が送られてきた。
印刷して名前と住所書いて押印して普通郵便で郵送した。
色々とゴタついたけど一段落ついたっぽい。
あとは日通さんに任せとけば通関できそうだ。やっと安心できる。
追記 2017年10月7日
無事に通関できた!
日通の担当さんに「次回通関するときも対応してくれますか?」って聞こうと思ったけど、僕みたいな小規模な個人に依頼されても迷惑だろう、と思って止めといた。
しかい思いがけないことに、日通の担当さんの方から次回の輸入の話を振ってきてくれた。
迷惑だというのは僕の思い過ごしだったようだ。
次回もこの担当さんに連絡すれば対応してくれると思うので、これからも気軽に船便で輸入できそうだ。
めでたしめでたし。